STORY

08.UnSunGの頭の中[UnSunGコラム]

理念構築から採用力強化までのプロジェクト

株式会社みぼろ
代表取締役 御母衣崇秀様
専務取締役 御母衣淑秀様
営業業務部第2グループ課長 村田雅宏様

http://www.miboro.co.jp/

当社にご依頼いただいたのはなぜでしょうか?

社長:新たな事業や業容の拡大に伴って、適切な情報を発信することが急務でした。また、新卒採用を行う上で、漠然と共有していた理念や行動指針をより明確な言葉にする必要性を感じていました。

専務:ホームページの刷新を考えていた時期でもあったんです。当初、社長や私はノータッチだったんですが、やはり当社の精神的支柱というか、魂のようなものを表現したページにならないと意味がありません。そこで、理念、ロゴ、ホームページ、会社案内などをすべてお願いできる御社を選びました。

まずは経営理念と行動指針を策定しました

村田:これまで会議などで社長や専務が話していた言葉が、より具体的なメッセージになった気がします。お客様に当社の想いを説明しやすくなりましたし、社員それぞれが根底にもつべきハートを再確認できたと思います。

社長:経営理念のストーリーブックを作ったことで、各人の理解はかなり深まったでしょう。しかし、問題はそれをいかに浸透させ、仕事の基盤にしてもらうかですね。経営理念などは、とかく上層部での共有にとどまり、それが間接的に社員に伝わるだけのケースが多いと思います。しかし、ストーリーブックなどを活用しながら、もっと直接的に話す機会を増やしていきたい。

村田:ストーリーブックはすごくいい媒体ですね。経営理念だけがあるんじゃなくて、その言葉にこめられた想いがしっかり伝わってくる。読み始めると長いんですが(笑)。

専務:今回、ロゴもホームページも刷新しましたが、それを補完する意味でストーリーブックがある。すでにお客様からも、反響をいただいています。社長が言うように、そこに魂をこめていくのがわれわれの大きな仕事ですね。

各ツールの仕上がりはいかがでしたか?

社長:比較ができないので難しいですが、私は満足しています。特にロゴは気に入りました。

専務:社長と私にかなり長いヒアリングをしてもらいましたが、それが適切な言葉やデザインになるのを見て、やっぱりプロは違うなと。スケジュールも早すぎず遅すぎず、熟慮しながら進められましたし。当社の感性やスピード感ととても相性がよかったと感じました。

村田:ロゴは確かによかったですね。従来のロゴは、何度か社長に説明を受けたんですが、どうも意味が飲み込めなかったんです(笑)。今回はいろいろなツールと一緒に進めたという点もありますが、非常に納得のいくデザイン。もっとも従来は青が基調でしたので、赤のデザインに全社員驚きましたが。

社長:えっ、そうだったの?(笑)

改めて、今後の目標を聞かせてください。

社長:どんな会社でも、社員の入れ替わりは仕方ないことですが、それを新陳代謝として放っておいてはダメだと思います。理念や行動指針がしっかり共有されていなかったことで、会社と同じ方向に進めずに辞めていく人間もいたでしょう。今後はストーリーブックなどを活用しながら、より強い結束力を培っていきたい。

専務:創業者である父親が4年前に、昨年には会社を支えた母親が亡くなり、本来的な「みぼろイズム」を築いた人間がいなくなりました。しかし、そういうタイミングで経営理念や新たなロゴを定めたのは、後継者である私たちが多くの面で彼らを超えていくという決意の表れでもあります。数十倍、数百倍の売上を目指して、前進したいですね。

村田:従来は、良くも悪くも個人的な能力に依存している面がありました。しかし、今回全員の支柱となる指針ができたことで、「物を届ける」という仕事の重要性ややりがいなどを共有できた。価値観はそれぞれでも、仕事に同じ魂が乗るようになれば、集合体としておもしろい方向に行くと思います。

社長:そうですね。誰しも仕事に悩むことはありますが、そういう時に経営理念を基盤にして、各人が進むべき方向性を見出せるような力を身につけてほしい。そうなれば、ことさらに売上云々の話をしなくても、自然に成長できる体質になっていくと思いますし、それを目指したいですね。

保存

保存

事業継承を目的とした次代代表の理念・ビジョンを浸透させるプロジェクト

東京ディフェンス株式会社
代表取締役 山田邦博様

http://www.tokyodefense.com/

当社にご依頼いただいたのはなぜでしょうか?

私に社長が承継されるタイミングで、改めて自社の事業を見つめ直すとともに、私が目指す方向性を社員に発信したいと思ったんです。

しかし、企業が使いがちな硬い言葉では、それがうまく伝わりません。何かいい方法はないかと思ってネットを見ていたら、企業理念にこめた想いなどをストーリーの力で伝えるという御社のサイトに出会って。私が探していたのはこれだ!と思いました。

また、ホームページ、会社案内などの刷新も予定していましたので、それらをトータルにお願いしたかったんです。そういう場合、広告代理店などに依頼するケースが多いと思いますが、私は広告の仕事をしていた経験があるため、代理店の下請けとなる制作会社やクリエイターのレベルで、品質がまったく変わることを知っていました。その点、御社は個人でも活躍されているクリエイターの集団でしたから、迷いはなかったですね。

当社のサービスにご満足いただけましたか?

もちろんです。どれも想像以上の完成度でしたが、特にCI-BOOKはすばらしかったですね。会社の歴史や、創業者(会長)の想いを社員に伝えるツールは、あまりないんです。あったとしても、分厚い社史とか。あんなの誰も読みませんよね(笑)。

会社の承継にあたって、創業者から受け継いだマインドや、なぜ当社が今ここにあるのか、今後どうなるべきかをどうしても社員に伝えたかった。それにはCI-BOOKが最適でした。実際、創業者や私へのヒアリングを軸にまとめてもらった内容は、本当に感動ものでした。まさしくタイトル通り当社の「プロセス」が、誇張や過不足のないストーリーに美しくまとまっていて。会長は読みながら涙ぐんでいました。

それに私自身、会長を交えつつ第三者にヒアリングを受けたことで、過去の歩みや現在の状況、具体的な未来がより明確になりました。やはり誰かに話をして、それを最適な言葉にしてもらうと、どこか漠然としていた自分の考え方や方向性がすんなり見えてくるんです。借り物のような言葉ではなく、本当に社員と分かちあいたいマインドというか。

それを社員に浸透させるためには、自分がしっかりしなければいけないという決意や、会社をさらに成長させたいという使命感もより強くなりました。妙な言い方ですが、大人になったというか(笑)。これも今回の大きな成果ですね。

ほかにもCI-BOOKの有効性は感じられましたか?

会社の理念や行動指針などを社員に伝えるには、朝礼で復唱したり、何らかの社員研修をするのが一般的だと思います。しかし、それらは意外に効果が薄いですし、現代の若い世代には響きにくいんですね。事実、高い予算をかけて研修をしても、1カ月もたてば忘れてしまうことがほとんどです。CI-BOOKは、それをスマートに解決できるツールだと思います。会社の歴史や方針などはとかく古くさい、面倒くさい、小難しいとなりがちです。それをくり返し言うよりは、簡潔なストーリーを使い、筋道立てて伝えた方がすんなり心に残るんです。

しかも、本であることが大事ですね。ウェブはどこか軽いですし、見ようと思わないと見ない。その点、自分の机に本があれば、仕事に迷った時などにすぐ開けますから。また、きれいな本にしてもらうと、取引先や家族なども、興味をもって読んでくれるのもうれしいですね。 もっとも、本を作るとなると、かなりのお値段なんだろうと思って、最初は二の足を踏んでたんです。しかし、一般的な自費出版などとは比べものにならないお手頃価格だったので(笑)。当社のように、会社の承継時に創業者の想いなどをまとめるのもいいでしょうし、具体的な売上、目標、行動などをストーリーで伝えるのもいいでしょう。使い方はいくらでもあると思います。

じつは当社も、新たなCI-BOOKを作りたいと考えています。現在、当社はシェアハウス、認可保育園など新たな事業に進出していますが、それらを開始するに至った経緯や今後の方向性をまとめたい。つまり事業ごとの「プロセス」をまとめておけば、新入社員もすぐに理解できますし、お客様や利用者にも当社の想いを伝えやすいんです。今後もいろいろご相談させていただきます。

保存

保存

「伝わる理念」と「伝わらない理念」の違い

出典:http://nihongo.istockphoto.com/

伝わる理念と、伝わらない理念は、どのような違いがあるのだろう。

企業理念、CI、呼び名は幾つかあるけれど、従業員や大衆にわかりやすく言語化されていなければ、企業として抱く想いは伝わらない。

もちろん、商品やサービスに企業としての想いが込められていて、それを利用したひとにしか伝わらない想いもあるかもしれないが、より多くのひとに知ってもらい、体感してもらうための戦略は必要だろうし、実行するうえで軸となる理念は、やはり必要になるだろう。

つまり、企業理念にしろ、個人の理念にしろ、理念は何かをなし得るには必要なものだと考えている。

では、理念は多くの企業、組織、教育組織でも掲げられているが、「伝わる理念」として機能している理念は、どれくらいあるのだろう。
おそらく現状は、「伝わらない理念」にとらわれて溺れているところが大半ではないだろうか。


「欲」をキレイな文章にしただけでは、「伝わる理念」にならない

little girl reading a book on a wharf

出典:http://nihongo.istockphoto.com/

「金を稼ぎたいから、稼げる仕事をどんどん取り入れていく。常に時代の先をいくんだよ」

そう語る経営者も、少なくはない。

現実問題、瞬発的に流行し、瞬間的に売れる商材は存在するし、流行と需要の嗅覚が鋭い経営者は、これらの商材にいち早く目をつけて短期間で利益をあげる。

ブームが終わったら、別の商材の流通に取り組むことを繰り返すのだ。

けれども、こうした経営者のもとに、「給与待遇」以外の理由でどれほどのひとが残っていくだろうか。

「金持ちになりたいから、稼げる仕事をする」という感覚は、経営者だろうが雇われている側だろうがざっくりと心にあるはずだ。

特に雇われている側は雇用されているという不安定さの反面、雇われる自由がある。

経営者に人徳や恩を感じていない限り、同じ勤務形態、事業内容ならば、いまよりも給与が高い企業に転職したいと思うだろう。

経営の雲行きが怪しくなってきたときなど、なおのことだ。

ここで社員一丸となって踏ん張ってほしいところなのに、会社への愛も経営者への親しみの念がなければ、我先にと逃げ出すこと間違いない。

このようなケースが実際に起きたとしても、何の不思議もない。「金持ちになりたいから、稼げる仕事をやる」というのは、理念ではなく「我」や「欲求」を言葉にしただけなのだから。

誰かに想いが届くとすれば「お金を稼ぎたい」という欲の共通項だけだ。

会社のシステムや経営者の考えなど知る由もない。

最悪の場合、自分が勤める会社が未来に何を目指し、何を目的としているのか知ろうともせずに、ひとが次々に入れ替わるだろう。リスクを負ってまで籍を置く理由や意味を見出せないからだ。

世の中には、まだまだ「伝わらない理念」から脱却できていないことに気がついていながら、「伝わる理念」への変化を達成できずにいる企業もある。

なんとなく「伝わらない」と不満を感じていながら、原因がわからない経営者や、「伝わる理念」の作り方を知らない経営者、そもそも経営者の中で「理念」が固まる前に、企業理念として掲げているところもある。

これらは理念としては不完全だが、「伝わらない」と感じていれば、まだ救うことができる。

これから「伝える理念」を考えれば良いのだから。


伝わる「理念」があれば、迷った時の道標になる

伝わる理念に必要なものは、「表現方法」と「明確なメッセージ」だと思っている。

表現方法は、文章化でも、映像化でも、音楽化でも、相手へ最も的確に伝えられる方法であれば、どのような形でもかまわない。

「明確なメッセージ」については、経営哲学があるのか、または言葉にできなくても、端的にでも本当に伝えたいことが見えているかだ。

先ほどの「金持ちになりたいから稼げる仕事をする」というのは、金持ちになったところでどうなりたいのか、社会をどうしたいのか、従業員の待遇をどうしたいのかなどが見えてこないし、あくまでも数ある煩悩を切り取っただけの個人的欲求にすぎない。

ところが、こうした「伝わらない理念」だって、日本人なら日本語で書いてあれば読むことも理解することもできる。

社会経験がない新卒の社員だって、それがうちの企業理念だから読んで覚えてと言われたら、数分で覚える。

けれども、それでは新卒社員も古参社員も、企業が望む行動を自発的にとることない。

せいぜい、言われたからやるにとどまるだろう。

一方で「伝わる理念」は、人を動かす。

経営者自身の経営指針でもあり、正しいもの、正しくないものの判断を迫られたときの、判断基準となる。

「伝わる理念」をここで定義付けるとすれば、「事業の先にどんな価値を見出し、どのように社会に還元できるのか」までを示したものと、「自分たちが情熱を燃やせるもの」のふたつが要であると考えている。

どちらかが欠けてはならない要素だ。

「あなたの理念は何ですか?」と問われたとき、すぐに答えられるひとは少ないかもしれない。

しかし、いますぐ言葉にするのは難しくても、自分の中の譲れない価値観や、生き方、挫折や成功から学んだこと、喜びを感じた瞬間、怒りを感じた瞬間など、あらゆる感情すべてを紐解き、それらをもとに「事業に関わることで満たされるもの、社会に提供できるもの」を見出せれば、理念として言語化することは可能だ。

これらのエッセンスを言い換えるとすれば、「ストーリー」だ。

企業ヒストリーなど、堅苦しいものだけをストーリーとして限定せず、経営者自身の人生や心境変化、経験、社会の流れの変化などからどのような影響を受けて、いまの理念に至ったかなど、実際に体感してきたストーリーをうまく整理して共有することで、「伝わる理念」となる。

実際に「伝わる理念」を掲げている企業は、こうした背景もあわせて伝えているところが多い。

そして、それらが言語化されて理念になる。

企業理念を掲げることは、社会一般的なことであるから、とりあえず作ってみたいという経営者にも出会う。

さらに、「誰が見ても会社が目指すものがわかる指針、軸がほしい。けれど、いま理念を固めるのは怖い。明日になったら、自分お考えが変わるかもしれないから」とも言う。

確かに、日々市場が変動する競争社会の中で、基本的に不変でなければならない理念を固めるのは怖いだろう。

仮に理念として固めていたとしても、企業が目指すもの、導く先が二転三転しては、従業員はたまったものではない。

理念とは、経営者含めた企業全体の動きに迷いを生じさせないための軸なのだからから、この状態のものを、「理念」としてはいけない。

ぶれない軸を見出して形にする自信がないときは、第三者視点のアドバイスが有効だ。

その第三者は、「伝えたいこと」を的確に引き出してくれるひとであれば、部外者でもいい。


理念のイメージを形にするプロに頼る方法

出典:http://nihongo.istockphoto.com/

理念は、つまづいたとき、判断に迷ったときに原点回帰すべきものだ。

「理念に沿えば物事を評価、判断できるもの」でなければならない。

ここまで言うと、ますますハードルの高いものだと感じるかもしれないが、ざっくりといえば、自分の過去から未来までの、想いや思考の線路を言語化したものが理念だ。

なぜこれをやるのか。

なぜこのような未来を目指すのか。

それにより、何を得られるのか。

これらをうまく言葉や形にできないならば、経営感覚が鋭いコピーライターやデザイナーなどに頼るのも手だ。

依頼者と同じ目線で、過去から10年後、20年後の未来を引き出し、共感して判断してくれるひとを、優秀な表現者と呼びたい。

世間的に有名で優秀と評価されるコピーライターや企業だけを、優秀と示すのではない。

いかに依頼者に憑依して言語化できるかが、優秀さの基準だ。

理念の「形」形作りを外部に依頼する際は、クリエイターの所属組織の規模にとらわれず、「クリエイター」の感性やインプット力、表現力をみよう。


理念を形にすることでヒトも企業も変わる

出典:http://nihongo.istockphoto.com/

理念作りをプロに依頼することに、抵抗感を感じるひともいるだろう。

けれども、ビジネスマンにとっては時間も重要だ。

業務に使える時間は限られていて、考える時間、迷う時間をうまく短縮する判断の軸があれば、限られた時間をより有意義に使うことがでる。

最小の行動で最大の成果をあげることができるようになるかもしれない。

なによりも、経営者が「何を、どうするために、何をするのか」を企業理念として明確に表示することで、従業員や社会が共感しやすくなり、自発的な動きも生まれてくる。

何を、どうするために、何をすれば良いか自ずと判断する軸があるのだから、経営者の顔色を伺う時間や、無駄な会議を繰り返す時間も必要もなくなるかもしれない。

「伝わる理念」か、「伝わらない理念」かを判断するポイントは大きくわけてふたつある。

そこに「事業の先にどんな価値を見出し、どのように社会に還元できるのか」が示されているか、「自分たちが情熱を燃やせるもの」が表現されているかを俯瞰で見てみればいい。

もしくは、従業員に直接聞けばいい。

「この会社の理念って何?」と。

たどたどしくても、言葉を選びながらでも、自らの想いに沿うような答えが返って来れば、「伝わる理念」だ。

いまいち腑に落ちない答えであれば、相手も腑に落ちない理念だと感じている。

あなたが掲げる理念が伝わっていないという証拠だ。